はじめまして。

私は東京都の練馬で医療クリニック向け専門の税金対策センターをやっている大久保 達弥です。

今回は私が今までMS法人をはじめ、個人のクリニックが実施する税金対策について、自分で担当したり、他の人から聞いた話の中で面白い話や明らかにアウトな税金対策についてまとめたのでご覧ください。

  1. 婦長への贈り物で税金対策
  2. ベイコートの会員券で税金対策
  3. 開業記念パーティーで買った高級時計で税金対策
  4. 金利を節約し過ぎて破綻寸前のクリニック
  5. 社宅をミスって二重の追徴課税になったクリニック
  6. 売上金が消えた!クリニック内にいる身近な窃盗犯?
  7.  給与で税金対策に失敗した院長の話
  8. ミニクルーザーで節税を失敗した話
  9. 高級車の買い換えで経費破綻した院長
  10. 鉄道模型で見事、税金対策に成功した事例
  11. 売上を勘違いして使った院長の末路
  12. 開業記念パーティー節税で破綻寸前のクリニック
  13. 売上操作で税務署からアウトを喰らった事例
  14. 補助金で医療レベルを引き上げに成功した話
  15. 妻の高級車が原因で税務調査でアウトになった事例
  16. 息子や娘にお金を残す間違いのない方法

では、ここで問題です!

今から4つほど税金対策の事例をご紹介します。

このうち実際にセーフだった税金対策はいくつあるか?考えてみてください。

(1)ティファニーの店員さんを落とすために、いっぱい買ってプレゼントした。
(2)ベイコートの会員券を個人名で購入した
(3)開業記念パーティで自分のために高級時計を1個買ってしまった
(4)毎年、高級車を買い換えて節税対策をした

さて、皆さんどれがアウトでどれがセーフの税金対策かわかりましたか?

答え!

全部アウトです!

残念ながらこれらの税金対策はすべてアウトな事例で、ヤバイすぎるダメなクリニックの院長がやっていた税金対策です。

本編ではなぜヤバイのかに加え、どうしたらセーフになったのかも解説しますので、楽しみにしてください。

ぜひ今年こそは税金をうまく納めて1年を締めくくりたい院長や、これから開業する上で重要となる税金対策を事前に勉強したい先生は、この先を読んで予習することをお勧めします。

先ほどアウトだったものは、ある方法を使えばセーフになったり、少しだけ税務署からOKが出るものばかりです。

税金対策は上手に実施すればクリニック自体も充実し、先生の人生も明るいものになります。

きわどい税金対策もありますが、あまりにも危ない橋を渡らせるような、危険な税金対策は書いていません。

やはり今の税務署はネットにある情報だけリサーチする部隊が存在し、日夜パソコンに向かいながら危険な節税対策を毎日チェックしています。

その部隊に引っかかって税務署から追徴課税を取られないためにも、これからご紹介する危険な税金対策を知リ、正しい税金対策をとってください。

実際に税務署からOKをもらえた事例も紹介します。

ご覧ください。

 

はじめに税金はきちんと納めないとダメです。

これは周知の事実ですが実際に医療関係者をはじめ、いろいろな業界の賢い経営者たちは、日夜、税金を少しでも浮かせようと努力しています。

しかし税金というはしっかりとした仕組みを組めば、ちゃんと支払っているのに年間数万円、数十万円で終わる人もいます。

なぜそういうことができるのか?

税金を年間で数万円とか数十万円しか払わなくてもいいクリニックの院長のほとんどは、プロの税金対策ができる人に頼んでいます。

私は日々、いろいろな先生や経営者の方から税金対策の相談を受けますが、そのほとんどは同業である税理士の先生をはじめ、税金に強いといわれるコンサルタントがOKしたことが、実はアウトであることが多いのが現状です。

逆に「ダメだ」と言われてることがセーフだったり、医療系の税金対策は専門知識が必要ないと難しいのが現状です。

私はその点東急グループといった大手企業をはじめ、東京都庁に関係する仕事や都内の医療学会で会計監査や経営診断、税務申告を行った経験をもっています。

さらに最近はミニMS法人といって、社会保険労務士の先生とタッグを組んで、医療保険や年金の保証は大きく、でも社会保険料を安くして院長の給料を増やす方法も提案しています。

私の自己紹介はさておき・・・

では今回紹介する「危険な税金対策」について1つ1つ紹介します。

  1. 婦長への贈り物で税金対策
  2. ベイコートの会員券で税金対策
  3. 開業記念パーティーで買った高級時計で税金対策
  4. 金利を節約し過ぎて破綻寸前のクリニック
  5. 社宅をミスって二重の追徴課税になったクリニック
  6. 売上金が消えた!クリニック内にいる身近な窃盗犯?
  7. 給与で税金対策に失敗した院長の話
  8. ミニクルーザーで節税を失敗した話
  9. 高級車の買い換えで経費破綻した院長
  10. 鉄道模型で見事、税金対策に成功した事例
  11. 売上を勘違いして使った院長の末路
  12. 開業記念パーティー節税で破綻寸前のクリニック
  13. 売上操作で税務署からアウトを喰らった事例
  14. 補助金で医療レベルを引き上げに成功した話
  15. 妻の高級車が原因で税務調査でアウトになった事例
  16. 息子や娘にお金を残す間違いのない方法

1.婦長への贈り物は税金対策になる?ならない??

この話は東京の中心部にある眼科クリニックでの話です。

先生は個人事業主でのクリニックを経営しており、昨今のコンタクレンズや自費の手術のおかげで経営は順調でした。

また、長く苦楽を共にしてくた看護師長によくプレゼントしていました。

これは一見、売上の私的な利用に見えますが、実際は院長が買ったものが帳簿に記載されていて、税務署には「婦長の献身的な仕事に感謝して円滑な事業運営のためにプレゼントした」と答えて、見事、否認されずに事なきを得ました。

実は個人事業主のクリニックの場合、このような看護師長さんやスタッフに一般常識的な範囲でプレゼントを送るのは、業務を円滑に回すための経費として認められています。

出典:レディースMe

ちなみに一回に4〜50万もするものをポンポン買っていたら、それはいくら業務を円滑に回すとは言えアウトです。

せいぜい良くても5〜10万円のもので、商品券とかでもいいです。

今回は昼も夜も一緒に楽しむ方のケースのお二人でしたが、苦楽を共にした看護師長さんだったので、余計に色々なプレゼントが年間300万円近くありましたが、すべて経費として認められた事例でした。

このように法人化していないクリニックでは、一見私的にお金を使っても業務を円滑にするための経費として認められることはあるので、お近くの税理士や税務に詳しい我々などに一度相談してみてください。

いい税金対策ができるかもしれないので。

2.ベイコートの会員券(3000万)で税金対策する方法

京都にある内科クリニックの話の件で、今回は医療法人クリニックのパターンです。

ここは京都駅から少し離れたところにあって、普通に月間100人前後の患者さんが来る内科のクリニックでした。

そこで先生は私と付き合うまでに、税理士に無断で3000万円を医療法人名義で借り、それを使って東京はお台場にあるベイコート倶楽部の会員券(3000万円相当)を買いました。

その後、そのとき担当していた税理士がその事実を見つけ、さじを投げて逃げてしまったときに、知り合いを通じて私のもとに「助けて」ときた話です。

院長から話を聞いていると、なんら問題ないと思いながら帳簿を見て一瞬でヤバいなと思いました。

そしてなぜ税理士が逃げたのかもわかりました。

皆さんにはおわかりですか?

今回、先生がやったことは業務上横領にあたるもので、見つかったら警察沙汰の事案です。

しかし、私はお世話になっている人からの紹介だったので、断ることができず泣く泣く引き受けました。

まず最初にやったのは先生に、

  • 税務的にはアウト
  • 売上を横領したことになる

ことを何度も説明し理解してもらった上で、急ぎベイコート倶楽部に電話して院長個人で買った会員券を医療法人の名義に変更してもらいました。

さらにそこからかなり院長を説得して、銀行から法人名義で3000万円を返すための算段をのんでもらいました。

今回のクリニックの場合、患者さんは来ていたのですがそのすべてが保険診療であったので、年間の医療報酬が思ったより少ないクリニックだったのです。

そこに運転資金として5年で金利が高いプランで3000万円も借りていたため、院長の役員報酬を下げ、その下げた分で銀行に3000万円を返済することを院長に渋々、渋々、了承してもらいまいた。

その後、私はその件がひと段落したので、そのクリニックの案件から離れました。

しかし何年か経ったある日、その先生を紹介された人と会ったときに感謝の意を示されたと同時に、驚愕の事実を知ることになりました。

驚愕の事実とは私が去った後の税理士を脅迫して、すぐに院長の年収を元に戻したのです。

その結果、銀行の返済が難しくなってやむなくクリニックを閉鎖(倒産)するになったのです。

私がもっとちゃんと念を押していればと後悔しながらも、「もっと税理士さんが頑張ってくれたら」という思いと、「先生そりゃ無いですよ」という複雑な思いだけが残った苦いお客様でした。

皆さんも法人や個人で銀行からお金を借りるときは、借りたお金の使い道などに注意して、倒産しないようにしてください。

3.開業記念パーティーで買った高級時計を経費にする方法

開業記念パーティーというのは、クリニックにとっては色々な意味で効果のあるものです。

税金対策にもなって、クリニックで働くスタッフをはじめみんなが幸せになります。

しかしそのイベントを私腹を肥やすために使ったおかげで、えらい目にあったクリニックの話です。

その先生は当時は個人事業主のクリニックでした。

千葉県で開業する糖尿病専門の内科クリニックの話です。

透析の患者が多く、医療報酬も多く入ったため、先生は気が大きくなってある開業記念パーティーでとんでもないことをしていました。

ある日、税務署から連絡が来たらしく、担当していた税理士に「税務署が来るってさ」と伝えたところ、その電話を持って顧問契約を切られてしまったのです。

おかしなものです。

なぜなら税理士とは基本、顧問先に税務調査が入った場合、真っ先に矢面に経って顧問先を守るのが鉄則みたいなものです。

そこを一瞬にして逃げ出したと聞いたので、「これはかなり不味いことをやってるな」と長年の勘でわかりました。

あとで聞いた話では、そのクリニックの院長はどうしても欲しかったロレックスのデイトナという時計を1本、500万円もするものを自分のためだけに買っていたのです。

それ以外にも様々な問題がたくさんあったクリニックのようで、税務調査では経費に認められないもののオンパレードだったそうです。

その結果、ロレックスのデイトナをはじめ多くの経費が税務署から認められず、院長が私的に買ったものはすべて院長の給与とみなされ、結果的に税務署より追徴課税されました。

もしこれが500万円の時計代金で5本とか、10本とか買ってパーティーに来た人に配った形跡が確認されれば、開業記念パーティーの経費として認められた事例でした。

また税務調査では金額の大きな経費を中心に、税務署はチェックをしてきますので、これを読んで「ヤバいかも・・・」と思った院長先生がいらっしゃいましたら、ぜひ一度、金額の大きい経費を税理士に相談してみてください。

一度、追徴課税になると、何年か後に確認のためまた来たりするので、ぜひ危ない経費かもと思うものがあれば、すぐに税理士の先生にご相談ください。

4.金利を節約して借り入れ破綻寸前のクリニック

これは税金対策ではないのですが、よくクリニックの院長がする危ない一手になるので紹介します。

この話は私が知り合いから相談された事例です。

問題となるクリニックは神奈川県にある内科クリニックで、その院長はやり手でして多くの銀行から融資を受けて経営を軌道にのせていました。

しかしあるときとんでもないミスを犯し、一時は財務的な経営破綻の寸前まで入ってことなきを得た話です。

原因は院長の過剰なまでの節約主義にあったと聞いています。

一般に、銀行からお金を借りるときに重視する点としては、無担保、低金利、返済期間が長め、などがあります。

この院長も同じで、特に金利に関しては次のような信念で借りていたそうです。

院長の信念とは?

院長の信念は「低い金利のところからどんどん借入し、借金が多少増えても金利で得するから大丈夫!」といったもので、ちょっと危険な物差しで測っていました。

その結果、気づいたときには金利支払いより借入金が増えすぎて、毎月の返済でクリニックの売上がすべて飛ぶレベルになっていました。

しょうがないからここは、院長には恥を忍んで銀行にリスケジュールをお願いして返済額を少なめにしながら、同時に返済期間を伸ばしてもらう作戦を実行し事なきを得ました。

先生は「金利が低いのが自慢になるからつい・・・」と言って反省していましたが金利が低いのはいいことです。

金利が低いと多く借りたときには有利に働きますし、銀行と銀行を競わせるときのいい材料になるので。

しかし、それより重要なのは返済をきちんとすることです。

銀行は返済期日をしっかり守り、かつある一定の金額を借り続けてくれるクリニックに対しては、自然と金利を下げるように動いてくれます。

無理に安いところを狙って借り換えするよりは、そこは損して得取れじゃないですけれども銀行に貸しを作り、あとで金利とか返済期間の優遇でしっかり返してもらうのがお勧めです。

あまり大きな声では言えませんが、すでに私の知り合いでも銀行の返済でクリニックの経営が破綻しているところもあります。

決して目の前の金利安だけで借りないようにしてください。

5.社宅をミスって二重で追徴課税された院長

住宅を社宅にして税金対策するのは、真っ当なやり方で多くの税理士が提案し、医療業界をはじめ多くの一般企業でも行われている手法です。

今回はこの手法の使い方を誤ったせいで、二重で追徴課税を課された例です。

東京都港区で開業するA先生は開業から5年目のMS法人+個人事業主でクリニックを1院やっています。

出典:https://sbi-medic.tokyo/

ある日、突然、税務署から「2週間後に税務調査に行きます。」と言われ診療中に冷上がったそうです。

なぜならここ5年間は税務申告書を出したときに、一度も税務署から何も言われなかったからです。

「おかしい・・・」

「申告書を出した時は何も言われずにちゃんと通ったのに・・・」

そう思いながらも「突然、何を言うのか!?」と思い、診療の合間をぬって急いで税理士先生に電話をしそうです。

税理士が言うには「問題ないので大船に乗ったつもりでいてください」と自信たっぷりに返答したと言っていました。

しかし、待っていた結果は散々たるもの。

先ほども言いましたが、結論から言うとA先生は二重で追徴課税を払う羽目になったのです。

なぜ、2重で追徴課税を言い渡されたのか?

一番の原因は税理士さんが社宅の処理をしたまでは良かったのですが、先生にちゃんと「今の家賃の半分以上を法人の口座に入れてください」というのを先生に理解するまで説明しなかったことです。

さらにこの税理士さんは、毎月の訪問を若手の先生にやらせて、自分は何かあったときだけ出ていくタイプで、そのため税務調査の当日までA先生が家賃を法人の口座に入れていいないことに気づきませんでした。

結果としては、

A先生が支払っていない家賃が税務署に給料として認定された

その結果、A先生は年収が家賃分だけアップしてしまった

A先生の所得税がアップ!
これにより期のはじめに決めた役員報酬をオーバーすることに

税務署から家賃で増えた分の役員報酬のすべてが経費と認められなくなり

結果としてその分、MS法人の利益が増加し

結果的に税務申告のときより法人税が増えてしまい

増えた分の法人税が税務署から過少申告と判断され

追徴課税を払う羽目になった

そうです。

普通、社宅にした場合、個人が法人に一定額の家賃を支払うのはあたりまえです。

が、これを意外と忘れている人が多くて、この手のトラブルはよくあります。

もし今、自宅を社宅にしている方でちょっと心配な方は、

  • ちゃんと自分が法人に家賃を支払っているか?
  • 家賃の計算がルールに則ったものであるか?

確認してみてください。

6.売上金をクリニックの身近な窃盗犯に奪われた話とは?

今回のケースは東京都の医療法人で起きた事件でした。

この件に私が気がついて指摘したときには手遅れで、見事、税務署から追徴課税を2つもらってしまった事例です。

情けないお話ですが、これにより私は売上金の入金を必ずチェックするようになりました。

話としてはこうです

先ほど説明しましたが、今回は東京で皮膚科を開業している医療法人の話です。

そこは自費治療が流行っていて、毎日40万円近い診察料収入がありました。

それを毎週1回クリニックから少し離れた銀行に奥様が入金すると言って、院長の代わりに毎日クリニックの医療報酬を家に持ち帰っていました。

しかしあるとき私が帳簿をチェックした際に、週に200万円近くあるはずの入金が50万円しかなかったり、100万円だったりとまちまちでした。

おかしいなと思った私は、減った分の診察料収入は何に使ったのか?

院長に聞きました。

しかし院長は「売上は妻が家に持っていって銀行に入れてるよ」の一点張り。

帳簿上にも変な出費はなく、先生のほうも色々と聞いてみたのですが特に新しい買い物はしていないことがわかりました。

しかし、変だと思った次の瞬間、院長がこう言ったのです。

「もしかして妻かもしれない・・・」

ビンゴでした。

院長の奥さんが無断でエルメスのバーキンやハーリーウィンストンを買うために、持って帰った診察料収入で買っていたです。

総額1,000万円もの損害というかお買い物。

それは事実上の横領となり、そのまま行けば横領罪で捕まる犯罪です。

しかし、それは流石にまずいので、院長がすべてを私的流用したとして、税務上は院長の給与にしました。

しかし、今回は医療法人だったので法人の場合、役員報酬は期初に決めた金額を上回る金額を出してはいけないルールのため、今回の院長の役員報酬増加分(=奥様のバッグ代)は税務署から経費とは認められないため、帳簿上ではすべて医療法人の利益になってしまいました。

しかし、給与所得としては1000万円多く支払ったことになってしまうので、その年だけ院長の所得税は増税となり散々な1年でした。

しかしこのおかげでその後、クリニックに税務署が入ってもその件は一切お咎めなしで終わることができたのは幸いでした。

それ以降はコンビニのATMからその日のうちに入金するなどして、二度と売上金を勝手に使うことは無くなりました。

見つけたときは院長より僕の方が血の気が引き、冷や汗をかいた案件でした。

7.給与を下げることができず、税金対策に失敗した院長の話

このお話は千葉県の船橋にある美容外科であったことです。

ここは医療脱毛とボトックスなどの注射系の治療が流行って、あっという間に年商2億円近い医療報酬になりました。

そのほとんどが自費治療のため利益率がものすご高く、すぐにでも税金対策を考え無ければならない状態でした。

そこで私が考えたのがミニMS法人というマジックボックスです。

これは多くの先生も聞いたことがあると思いますが、ミニMS法人というマジックボックを使ってしっかりとしたビジネスモデルを組み立てると、おもしろいほど税金対策ができます。

しかしちゃんとした税務やビジネスの知識がなければ、違法に税金を安くする手を考えてしまいがちなので注意が必要な方法です。

まず実施したのは奥様をミニMS法人の社長にして、クリニックからミニMS法人にスタッフを出向してもらうような業務の契約をしました。

それから不動産でも今あるクリニックの場所をミニMS法人→クリニックに貸し出すようにして、ミニMS法人へ賃貸料を払うようにしました。

さらにこの他にも守秘義務があるため、ここには大ぴらに書くことができませんが、合法で税務調査でも通った事例を使い、さまざまな税金対策をしました。

その結果、2億の売上のうちのほとんどがミニMS法人へ流すことができ、最大限の税金対策をすることができました。

しかしここまでは普通のというか、よくあるクリニックとMS法人の話です。

ですがここからドラマがはじまります。

なぜか奥様が運営していたミニMS法人では、私が税務を担当していたクリニックとは別の税理士が付いていました。

正直、やりづらいところはありましたが、奥様たってのお願いだったので泣く泣く了承して税金対策を進めていました。

今思えば、ここで僕が嫌われてでもMS法人の税務を担当しておけばよかったと後悔しています。

思った通りクリニックとMS法人の連携がうまく取れず、いろんなところで私が知らないことが起こってきました。

その中で一番アウトになり、今でも悔やまれるのが役員報酬の大事件です。

役員報酬の大事件とは?

ある年、やはり美容外科クリックが好調で年間2000万円ほどの利益をミニMS法人に流す必要が出てきました。

そこでまた奥様にお願いしながら、MS法人の担当税理士の方に次の依頼をかけました。

【依頼内容】

  • 今回、美容外科クリニックの方では2000万円の利益が出ました。
  • これを今期中にMS法人の方で消化する段取りを考えてほしい。
  • 必要であれば段取りのアイデアは出します。
  • お互い協力して2,000万円の税金対策がしたいです。

このような書面を丁寧に作って奥様に渡しました。

しかし実際は・・・

翌年、奥様から「今年も2,000万円近い利益というか仕事をよこしなさい!」となぜか私に電話で怒鳴ってきました。

「???」

私は目が点になり何を言っているのか訳がわからない状態のまま、「奥様、なぜ2,000万円分の仕事がクリニック→MS法人へ投げる必要があるのですか?」と聞きました。

奥様は「いいから言う通りにして!!!」と怒鳴る一方で・・・。

あとで聞いた話ではMS法人を担当していた税理士が、2,000万円の利益分をそのまま奥様の役員報酬、つまり社長である奥様の年収に乗せていたのです。

元々奥様はMS法人ではあまり仕事をしていなかったので、給料は月に40万円弱。

その他の経費とかでMS法人の方では帳尻を合わせていたので、特に税務署から睨まれるようなことになってない状態でした。

しかしこれがのちに税務署が入ったときに狙われて、とんでもない事態になるとは予想はできたものの、旦那さんである院長が奥様に押されてしまい2,000万円の資金移動をしてしまったのです。

これが大問題で、一気に2,000万円もの資金移動があったのを怪しんだ税務署がMS法人とクリニックの両方に入り大変な事態に。

私はMS法人の税務内容は一切見せてもらえなかったので、内情がわからずに困っていると、先にMS法人の方に税務調査に入った奥様と旦那さんの院長から悲痛の電話が私の元には入りました。

「大型の追徴課税がやられた。なんとかならないか?」

しかし、私はどうすることもできないので、しょうがなくMS法人側の税理士事務所に乗り込んで、なんとか帳簿だけでも見せてと、なぜか私が嘆願して見せてもらいました。

唖然とした

びっくりしたのはMS法人側の税理士は、何も考えずに奥様の年収である役員報酬を2,000万円近く上げていたのです。

これにより税理士は所得税がアップしても奥様にお金が入るので、節税対策ができていると思ってやったようで・・・

しかしこのおかげで帳簿上は、前年度は480万円の年収が2,000万円近くに!?

流石にこれは税務署も怪しんで、根掘り葉掘り調べられてしまいました。

結果、奥様のお仕事は単にMS法人の事務作業ほどだったので、2,000万円の報酬は相応しくないと判定され追徴課税になりました。

もし、MS法人を担当する税理士が、給料を上げた分だけ仕事量を増やして最も重要な【業務内容の見直し】を行ってくれていたら、まだ言い訳というか奥様の年収を大幅に上げた根拠が言えましたが、今回は全くそのようなことを考えずに上げていたので言い訳することもできない状態でした。

もし奥様がというかMS法人サイドの税理士が、MS法人とクリニックの関係を理解した上で税金対策をしてくれていたら、今ごろはもっとハッピーだったのに・・・。

ということで、このクリニックは税務署から「ちょっと危険なところだ」と見られたのか、その後も定期的に税務調査が入っては通常では通る経費も全て“要チェック“になり、大変な思いをする年を何年も過ごすことになりました。

安易な節税対策は大きなツケを払わせる!

そんな教訓を得た案件でした。

8.ミニクルーザーで節税を失敗した話

これは茨城県は水戸市にある精神科の医療法人での話です。

今回は僕の顧問先ではなく、知り合いの税理士から相談された事例です。

その先生は大の釣り好きで「松方弘樹・世界を釣る」の大ファンで、いつかは自分の船でカジキを釣るのが学生時代からの夢でした。

そのため卒業してからは、独立開業していっぱい患者さんを増やすために研修医時代から寝る間も惜しんでバイトしながら努力した院長でした。

そんな院長は40歳のとき独立し、10年後の50歳で夢のMyクルーザーを3,600万円で買うことができたそうです。

しかしそのとき、手持ちには一括で買える現金を持っていたのに、なぜか医療法人の口座から、たぶん節税できると思って3,600万円を支払いました。

それが運の付きで、その後、税務調査が入ることになり税理士がその準備にあたるために帳簿を見て青ざめたそうです。

「院長、この3,600万円のクルーザーは何ですか?」

という質問に、「よくぞ聞いてくれた!」と言わんばかりに松方弘樹のようにこれで世界を釣る話を目を光らせて話たそうです。

「いやいや院長そういうことじゃなくて・・・」

と税理士が言っても話は止まらず、あれよあれよと2時間以上も世界を釣る話をしたそうです。

らちが明かなくなった税理士がたまらず「いい加減にしてください!院長それは売上を私的流用したんですよね!」と言ってブチギレたと聞いています。

それはそうです。

何度も出てきてますが、これは法人のお金を私的に使ったので明らかなる横領です。

それも救うようが無いぐらい言い訳をしづらい横領に、税理士が困り果てた結果、私のところにアドバイスを求めてきました。

いろいろ深い話を聞いた結果、私が1つあるアドバイスをしました。

結果的に税務調査ではミニクルーザーの購入費用は、すべて経費としては認められなかったにしても、8割は経費として認められ、そのクリニックは最悪の事態を免れたそうです。

本当に良かったです。

と思った同時に、院長には「夢を追いかけるのはいいことですが、何か買うときは相談してくださいね」と言ってその案件を終えました。

皆さんの中にも節税対策のつもりでクルーザーとかを買う人がいますが、ちゃんとした医療報酬や売上のアップ、集患増につながる意図やそれを示す証拠が無いまま買うことは危険です。

しっかりとした証拠と医療法人のプラスとなるデータがあれば、大抵のものは問題ないのでぜひ高いものを買うときとは、買う前に私どもみたいなプロに相談してください。

9.高級外車を買い換え過ぎて経費が破綻寸前のクリニック

車というのは税金対策にはもってこいのアイテムです。

しかしこれはその車を使って見栄を張った節税した結果、とんでもない借金地獄に落ちた田園調布にご自宅がある院長のお話しです。

どんなお話かというと、簡単に言えば奥様の方で高級外車を何度も乗り換えた結果、個人事業主でやっているクリニックの経営を圧迫して借金地獄になった

そんなお話です。

元を辿ればその家のお子さんは東京では有名な御坊ちゃま、お嬢様が通う学校にいっていました。

その送り迎えで高級外車が必要になり、お家によってはロースロイスのファントムに運転手付きで送迎するところもあったそうです。

その中で院長は「普通でいいんじゃない?」と言って、ベンツのCクラス、一応AMGのものを買って奥様に貸していました。

しかし奥様の方でママ友との関係から、なぜかポルシェのカイエンかマカンを買ってほしいとせがまれました。

奥様に頭が上がらない院長はしょうがなく、ベンツを下取りに出して車を買い替えました。

その時はまだクリニックも繁盛というところまではいかないにしても、ポルシェに買い換える余裕のある状態でした。

その後クリニックは順調に経営を伸ばし、2院目を出すことになりました。

これが2億円ほどの費用がかかりました。

その結果、さらにクリニックの経営は伸び、結果的に車を買い替えても十分やっていけるようになり、院長も追加で車を1台ベンツGクラスを買い増しました。

このときクリニックでは2院目の銀行借入に加え、院長の車、そしてさらに奥様のリクエストでマカンが乗りずらいしかっこ悪いから、同じポルシェのパナメーラという4ドア、総額2,000万円以上する車をせがまれて院長は私に相談なく買っていたのです。

もちろんその車のお金はクリニックの売上からと思っていましたが、なぜか院長は銀行からの借入をして買っていました。

これは後で分かったことなので、院長には「相談してもらえれば、クリニックの経費として一部を認められたかもしれません」と言ったのですが、融資を実行されたあとだったので言ってもしょうがない事態になっていました。

どうなってしまったのか?

途中までは順調に経営ができたクリニックも、残念なことにこのコロナの関係で一気に経営が悪化し大変なことになりました。

原因はクリニックの経費で払う予定の車の費用(ポルシェパナメーラの方)が銀行から借りていたのが重くのしかかり、借金地獄の状態になりました。

もし相談してもらえていたら、GTSクラスのモンスターみたいな馬力のある車じゃなく、ハイブリット型の1,000万円台の車を提案しお金もかからない、でも乗り心地や見た目の最高の車を提案していたのですが、結果的にはこの車の返済がクリニックの、そして家計の方まで圧迫する結果となったのです。

コロナがなければ良かったですし、奥様も見栄を張らずベンツのままでいていただけたら良かったのですが、先のことは誰もわからないのでしょうがないお話でした。

最後に院長が銀行からお金を借りた理由は?

私もそこが疑問だったので借金地獄で大変な状態ではありましたが、院長に聞いてみました。

そうすると銀行員からノルマを達成するために「借りて」とお願いされ、しょうがなく借りてしまったのが理由でした。

しかし実際はポルシェのパナメーラは、元々のクリニックの経営からもオーバースペックで、院長が2,000万円のベンツのGクラスを買ったときには経費としてはギリギリの状態だったのは正直なところで伝えていました。

それ聞いた院長は、返済であれば何とかなると思って銀行から借りたのではないか?

と私はその話を聞いて考えました。

その後、銀行には私の方から院長の承諾を得てリスケジュールを行い、何とか今はギリギリのところで経営ができている状態です。

皆さんも今は大変なところもあれば、美容外科ではコロナで患者さんが増えたという話も聞いています。

しかし、いつ、どうなるかわからない時代なので、見栄を張って車を買い替えるよりも、安全に経営ができるお金を少し貯めることをお勧めします。

10.鉄道模型で見事、税金対策に成功したクリニックの事例

ちょっと暗い話がつづいたので、ここでは少し明るい話題を提供します。

今回は「成功した税金対策」の事例です。

これは私の師匠が担当した案件で、これはできる方は応用してみるのがベストなお話です。

これは都内の葛飾で耳鼻咽喉科クリニックを医療法人で行う先生の話です。

先生はジオラマを使った本格的な鉄道模型に目がなく、日夜働いては大好きな鉄道模型にお金を使ってます。

ある時私の師匠が「先生、鉄道模型でクリニックのお金を使われてますが、これ私費での利用になるので経費では落とせません」と院長に言いました。

しかし院長からは「先生何とかならないかな?」と言われ、私の師匠は使い道を考えました。

そこで思ったのがMS法人です。

MS法人で鉄道模型を体験できる記念館みたいなのを運営する形で、そのジオラマにかけた費用をすべて経費にしました。

その結果、先生は好きなだけMS法人の経費で鉄道模型を作りました。

さらにこれによりアイデアが浮かんで、自分の医療法人の待合室に小さな鉄道模型コーナーを作りました。

もちろんこれは先生の趣味ですが、明らかに患者さんのために行っていることと証明できることなので、実際に税務署が入ったときにこの分はセーフでした。

もちろんMS法人の方もある契約をすることで、クリニックの報酬を存分に使って記念館に鉄道模型を作りました。

さらにこの記念館とクリニックで定期的なイベントを行い、それが結果的に子供や大人の患者さんを増やすこととなるデータがしっかり取れました。

それをちゃんと月次で簡単にレポートにまとめてもらっていました。

結果的にMS法人にも税務調査が入ったときに、「これは明らかに医療法人の集患目的である。証拠はこれです。」と証明したら、その時点で渋々ですがOKをもらいました。

確かにちゃんとした裏付け証拠みたいなデータがあれば、税務署としてはちゃんと会社の利益のために使った経費であると認めざるを得ませんから、これは見事うまくいった事例になります。

メンタリストDAIGOさんの事例にもあるとおり、しっかりとした証拠となるデータや活動内容をレポートがあれば、ある程度のことは税務署の方では認めてくれます。

出典:https://diamond.jp/

それがちゃんと医療法人やMS法人といった法人活動に必要なものであれば経費として認められるので、ぜひ先生方もこの事例を参考にして、趣味をクリニックの経営のために活かすことを考えてみてください。

私どもに相談いただければ、このような税務調査をクリアした事例を元にアドバイス致しますので、気になった方はお声がけください。

11.売上=自分のお金と思って使った院長の末路

この話は医療法人だけにかかわらず、一般企業の経営者もよくやる間違いです。

しかしとても危険な考えで、税務署はここをしっかりと突いて追徴課税をもらう行動をとります。

気をつけてください。

と言いながらも、私の税理士の知り合いはこの意識のある先生に引っかかってしまい、見事二重で追徴課税をとられてしまった事例です。

大阪府吹田市にある医療法人で行っているクリニックでの話です。

ここはSEO対策を使ってネットからの集患がものすごくうまくいき、流行っていたクリニックでの話です。

ここでは先生の発想が面白くて、自分のお金はすべてクリニックの報酬から出す。

そんな税理士の我々からすると恐ろしいような発想を、徹底して行っていたそうです。

徹底して行うところに私は「面白い人だなぁ」と思って話を聞いていました。

その先生がやったことは、マクドナルドに行って子供たちとご飯を食べたらそれをクリニックの経費に。

マッサージのお金や夜のクラブ活動、そのあとに行う活動の反省会(アフターのことです(笑))、さらには奥様のネイルサロン代まですべてのお金を診療報酬から払うように領収書をもらっていました。

あるとき先生の元にライバルからのタレ込みによるものとしか考えようがない税務署の調査が入りました。

なぜそう思ったのかというと、明らかに税務調査の担当者が私的利用したところから徹底的に調べ始めたからです。

おかしいな?

と思ったのですが、先生にはいろんなところで自分がうまくいっている方法を話す癖があったそうです。

それは何も自慢げに話すのではなく、「もっとこういった方法で節税できるよ」といったようにみんなの為を思って話していたそうです。

ところがそれを話していた仲間の1人が快く思わなかったのか、それをそのまま税務署にタレ込んだみたいでした。

話を戻します。

税務署は一般的に「これは危ないな。脱税しているな。」と思う判断基準の1つに、

売上=自分のお金

と思っている人は徹底的に調査する様に訓練されています。

それはクリニックや医療法人、MS法人の売上アップのために使っているお金ではなく、私服を肥やすために使っていると判断して見るからです。

そうなるとたとえクリニックや医療法人のために使ったお金であっても、明らかに「おかしい」と端から疑ってすべての経費をチェックしてきます。

これによって正当な理由の経費でも、最初から税務署が疑っていろいろと根掘り葉掘りと、本来であれば聞く必要がない質問を徹底的にして、少しでも多くの追徴課税を取りに行きます。

今回の場合は先生が私的に使ったものは全て税務署から否認されてしまったそうです。

また明らかに医療法人のために使った経費も、疑いの目で見られてしまったそうで、なぜか一部は私的利用となって散々な税務調査だったと言ってました。

結局は税務調査で否認されたもの、つまり経費として認められなかった費用は全て私的な利用扱いになって、それはすべて院長先生の給料として税務署側で処理されてしまいました。

その結果今までも話してきた通りに、年度の途中に先生の給料は役員報酬がアップしたことになるので、結果的に所得税と法人税の2つで追徴課税が取られてしまいました。

もしここで私の知り合いの税理士が、MS法人などを使って、または院長先生や奥様、ご家族で使ったお金がクリニックの形やMS法人の経営にプラスになるような使い方ができれば、もしかしたら税務調査を無事にクリアできたかもしれないなと思いながら話を聞いてました。

この事例で気をつけなければならないのは2点です。

1つはライバルからのタレコミによっても税務署は動くので、安易に良かれと思って儲かっている話や、節税の話をしない方がいいということです。

あともう一つは、医療報酬を私的に使う場合は、工夫すれば全部または一部を正当な理由で経費にすることができる。

ということです。

このとき私は知り合いの税理士に「もし次に同じようなことがあったら対応できるように」と、今まで紹介した事例の中から参考になる話をしました。

売上=自分のお金

税理士業界ではありえない発想ですが、一般的には当たり前の考えだと私は思って仕事をしています。

その中で院長やMS法人の方が気づいていない、クリニックやMS法人の利益になるお金の使い方をアドバイスするのが、我々、税理士が本来やるべきことだとその話を聞いて自覚しました。

12.開業記念パーティーの行き過ぎた演出で破綻寸前のクリニック

これは私の人生のなかで税金対策が一番うまくいった事例で、これが今の原点となっている方法です。

この先生は栃木県で糖尿病の医療法人クリニックをやっている先生でした。

この先生はとにかく羽振りが良く、何においても昭和のバブル時代を思わせるお金の使い方をする先生でした。

その先生がある日、私の友人から「栃木にある先生を助けてくれないか?経費の使いすぎで経営破綻しそうなんだ!」という相談が入りました。

糖尿病のクリニックで経営破綻する話を聞いて、最初は集患に失敗したクリニックなんだろうと思っていました。

しかしクリニックに行って見ると豪華そのもので、アルファードの後ろが2席しかない車で患者さんを送迎していました。

つまり集患については全く問題が無いクリニックでした。

なぜ経営破綻するまでになったのか?

簡単に言えば羽振りが良すぎたせいです。

このクリニックの場合、年に1回さまざま医療関係者やパートナー達を集めた開業●周年の記念パーティーをやっていたのが、経営破綻になる一番の原因だったのです。

この他にも「クリニック院長がやったダメすぎる節税対策のすべて」の特典になっている、”ルイヴィトンを買いすぎて税務署から追徴課税された話”にも登場するのですが、とにかく経費の使い方が半端なくバブリーな先生でした。

そのため開業記念パーティーでも芸能人を呼んだり、高級料亭の大広間を何個もつないで開催するなど、ほとんどがクリニックの売上だけではカバーできないので、銀行からスポットで1,000万円を借りてパーティーを行っていまいた。

もちろんその翌月から返済金が増えて、クリニックの経営は赤字寸前になっていまいた。

でも先生は翌年も大きな開業記念パーティーを行ったようで、帳簿を見たら500万円が追加で借りていました。

先生のクリニックは他のクリニックと比べて、利益率が高く、返済には困らないような帳簿になっていましたが、よーく見ると節税目的で使った経費も多くそれがクリニックの経営を圧迫していました。

しかし質素な開業●周年記念パーティーにして、銀行から借りること無く行い普段どおりに過ごしていれば、バブリーな経費の使い方でもクリニックの経営は破綻することはありませんでした。

でも先生はバブリーなことや経費は湯水のように使う癖が治らず、気がつけば帳簿上では破綻寸前の経営状態でした。

詳しくはお会いしたときに話しますが・・・

私はこの状況を見てウルトラC的なことやならなければ潰れる!

そう思ったので色々な手法で銀行から1,000万円近い融資を引っ張って、なんとか医療法人の経営破綻をしのぎました。

どんなウルトラCを使ったのか?

これは正当な理由で行ったので答えだけ言いますが、ミニMS法人を立てて資金難を乗り越えました。

ミニMS法人と言えども今回は創業になるので、日本政策金融公庫を使ってうまくクリニックの経営を支援する会社として設立しました。

これでなんとかお金を借りてそのお金を上手く使って一気に1,000万近くを返済し、さらにクリニックの利益を上手くMS法人にこれも正当な理由と業務契約を結んで上手に経費を今まで以上に使えるようにして、銀行から借り入れなくても開業記念パーティーができるようにしました。

これは我ながら大成功した事例でしたが、この仕組が軌道に乗るまでは先生の浪費癖を抑えるのに大変だったのは言うまでもありません。

しかしいままでより医療法人の収益を経費に使える仕組みをMS法人を使って、合法かつ正当な理由で作ったので多少の浪費癖があっても潰れないようにした記憶があります。

思い出せば上手くいった事例ですが、やっている当時は友達から請け負った以上、失敗できないプレッシャーから何度やめようと思ったことか。。。

今は笑い話みたいな話ですが当時は必死にクリニックを潰さないように、税務調査が入ってもセーフになるように仕組み化と正当な合法化で回るようにしたのは良い経験でした。

この経験があって今の税金対策に強い税務顧問サービスができたので、この先生にはとても感謝しています。

13.売上操作に失敗して見事、税務署からアウトにされた話

売上操作は危険な行為です。

これからお話することは、東京都内のある医療法人クリニックで起きたことです。

これからお話しすることは、経営者であれば誰しも一度は考えるというか、ちょっと税金対策に詳しい人や銀行との付き合いがある人は、「そうしでもいいかな?」と考えることがあるかもしれません。

皆さんとは言いませんが。

話を戻します。

今回のケースでは期中に発生した予想外の自費報酬を、意図的に記録せず売上を操作した事例です。

これは私が関わった案件ではなく知り合いから聞いた話ですが、税務署に見つかると一番重い重加算税を取られるので気をつけてください。

どんな話なのか?

そのクリニックでは4ヶ月ほど前からマーケティング施策を実施し、自費診療の医療報酬を2倍にする目標で動いていました。

しかしなかなか結果が出ないまま年度末を迎えていました。

ここで問題が起きます。

どんな問題が起きたのか?

年度末に突然、今まで仕掛けていたマーケティング施策が一気に爆発し、新患数が2倍に増えました。

その結果1ヶ月で自費診療の報酬が目標だった2倍に到達し、税金対策をする間もないまま決算月を迎えました。

院長が気がついたときには診療報酬は2倍にアップしていて、そのほとんどが自費診療だったので利益も大幅に増えていました。

院長は焦りました。

院長はとっさに増えた自費分の売上を、そのままポケットにいれ、自分のものにしたのです。

またそれを税務署に見つからないのをいいことに、3年間こっそり続けていました。

突然の連絡!

3年後のある日クリニックに突然、税務署から税務調査する連絡が入りました。

院長は焦りました。

「もしかしたら、例の売上をチョロまかしたのがバレたのか!?」と。

しかしそれは普通に行われた税務調査で、抜き打ちでも何でもないものでした。

「なんで入ったんだ?」

焦る気持ちをよそに税務調査の日は近づいてきます。

「何の問題もない。」

税理士はうまくやっているし、売上をチョロまかしたことは税務署にはバレてない。

なぜなら税務申告書を出したとき、一度も指摘されなかったから大丈夫だ!

そう高をくくって税務調査の当日を迎えました。

とんでもない事態に・・・

税務調査を順調に進み何もないまま終わるように見えたそのとき、ある税務調査官の顔が険しくなりました。

急に電卓を取り出し、けたたましく打ちはじめたのです。

そして急に「院長!これなぜ自費の患者さんの数と売上が一致しないのですか?」と急に質問してきました。

「バレた!」

院長は観念したのか言い訳もしないまま、売上操作していたことを話しました。

税務署からは「重加算税ですね」と一言言われ、この税務調査は終わりました。

「何もなかった。重加算税だけか」

と変に安心していた院長は、税務署から来た書類を見て驚きました。

そこにはチョロまかした売上に近い税金の額が書かれていたからです。

「おい、おい待ってくれよ」

実はこの院長、売上をチョロまかした以外に、今まで話したアウトな経費の使い方をしていて、いろいろな経費が残念ながらほぼ全て否認されていました。

その結果、当初より税金を納める金額が大幅に変わり、結局は売上をチョロまかした分の2倍もの税金を払うハメになりました。

その理由は?

経費は税法である程度、これはセーフ、これはアウトと書かれていますが、基本的には税務調査官の心象によりアウト、セーフの基準が変わることが多々あります。

よく聞く話としては、税務調査官の心象がよかったので「本当はアウトな経費をセーフにしてくれた」があります。

これは本当でどうみても「アウトでは?」という経費も、税務調査官によってはセーフだったり、経費として認められることがあります。

今回の院長は税務署が一番嫌いな売上操作をやったので、税務署からの心象が悪くなり、今までセーフとされていた経費も全部見直され、ほとんどがアウトになってしまったと聞きました。

税務調査官も人間です。

税務調査中のこちらの態度や対応、そして経費の使い方、わざとチョロまかしてないか?によってその場の対応は変わってきます。

もちろん彼らも税務調査に入り、どれだけの追徴課税を取れたかで出世が決まるので必死ですが、だからといって無謀な税務調査することはありません。

しかし今回の院長のように、売上をチョロまかして自分の懐に入れるのは重罪です。

またそれらの行為は税務署が一番嫌う行為です。

そのため今回はすべての経費を厳しく見直す事態になったのではないかと思います。

皆さんも売上の操作は見つかると重罪になるので、捕まることはめったにありませんが、決して実施しないでください。

またもし今回のように期中にめちゃくちゃ利益を出しても、ちゃんとした税金対策は以外にあるので、気になる方は我々に相談してください。

生命保険よりもいい割合で税金対策できる方法を教えますので。

このケースでも・・・

正直そのクリニックを担当していた税理士がMS法人の設立を提案していれば、今回のような緊急事態でもギリギリなんとかできたかもしれません。

本当に税金対策はいつ必要になるかわかりません。

やはり早め、早めの対策というか、知識だけでも入れて、いざというときにサッと対策を打てるように今から準備しても損は無いと私は思います。

せっかくこれを読んでいるので、一度、私どもに相談してまだ税金対策する余地があるか確認してみませんか?

相談だけは無料なので、よかったらお声がけください。

>>> 税金対策できるか?無料相談してみる <<<

14.補助金を使って医療レベルを上げることに成功した話

こちらは成功した事例で税金対策とは関係のないことですが、医療機関でも個人事業主であれば「ものづくり補助金」を使って、最新の医療機器を導入できる話です。

これは東京の世田谷区にある歯科クリニックでの事例です。

ある日のこと院長がふと机にあった区報に目をやったときに、ものづくり補助金といった見慣れない文字を見つけまいた。

いつもは見逃すのにその日は「補助金」の文字が気になったそうです。

その補助金についてよく読んでみると、

  • 個人事業主(個人開業医)はものづくり補助金の対象になる
  • CTやレントゲンなどを買う際に50%もお金を出してもらえる

そういった内容でした。

ビックリした!

先生はそんな制度があるなんて知りませんでした。

CTがあればレントゲンよりも鮮明に歯茎の中が見れるので、ぜひほしい!となって、先生はすぐに区の方に電話してどうすればいいのか?聞きました。

結果的には区の方から書類の書き方を教えてくれるところを紹介され、大変でしたが先生はすぐにご自身で書類を作り申請しました。

結果、見事に通り高額で最新の歯科用CTを導入しました。

尚、このCTを買うのに少しだけ現金が足りなかったのですが、補助金のいいところは採択書があれば、銀行や信用金庫は買うもの費用を100%融資してくれるのです。

先生はそれも知らずに困っていましたが、補助金が通ったことを医療機器メーカーに話すと営業マンから「先生、補助金の採択書を銀行にもっていったら満額、CTを買う費用を融資してくれますよ」と聞いて、すぐに取引先の信金に連絡を入れたところ・・・

見事にCTを買う費用の満額および、補助金の申請時に書いた金額も合わせて融資してくれました。

このように補助金というのは個人開業医であれば、かなりの高確率で院内で使う医療機器を買うお金を補助してくれます。

もちろん誰でも書類を書けば通る!わけではありませんが、ちゃんとした仕事ができる行政書士や税理士、補助金関係が得意な中小企業診断士にお願いすれば高確率で通る申請書を書いてくれます。

申請書を書くのに大体、補助金で支給される総額の20〜30%の成果報酬を支払えば忙しい院長の代わりに書類を書いてくれます。

その申請書を書く費用もうまくやれば安く支払うことができるので、ぜひ一度、相談するか、ものづくり補助金について調べてみてください。

きっと今までよりもいい医療ができる機器が買えるはずです。

15.奥様が乗る高級車のせいで税務調査でアウトになったクリニック

これは東京の三鷹市というジブリの森があるところで起きた2重課税の話です。

そこは三鷹市でも有名な医療クリニックで、個人で開業していたので先ほど紹介したような補助金を使い、個人なのに素晴らしい医療機器が揃ったクリニックでした。

また地域にあった科目を提供するクリニックだったので、患者さんも多く集まっていました。

そのためすぐに節税対策が必要だったのか、ある行政書士に言われた通りMS法人を作りました。

ちなみに私が推奨する税金対策に強い医療経営のスタイルは、MS法人+個人開業というパターンです。

これによりいろいろな税金対策や国からの支援などをもらいやすいからです。

しかしこれに便乗したのが奥様でした。

奥様は大の車好き!

院長の奥様は女性では珍しく大の車好きでした。

これは知人から聞いた話ですが、奥様のお父様も医療クリニックを経営していて、車は3年に1回新しい高級外車を乗るのが昔からの習慣だったようで、そのころに今のような車好きになったそうです。

奥様は先ほど紹介したMS法人の代表になり、いつも通り院長が経営するクリニックに受付を出向させたり、派遣業を登録して知り合いのクリニックに看護師さんを派遣させたりしていました。

もちろん院長のクリニックにも派遣、不動産の賃貸業などありとあらゆるビジネス手腕を発揮し、クリニック同様にMS法人も億単位の売上を上げていました。

まさに成功を絵に描いたようなお話でした。

しかしドン底に落ちたのです

ドン底と言ってもクリニックが潰れたわけでありません。

多額の追徴課税を税務署から言い渡されたのです。

確か1億近い追徴だったかと。

だたニュースとかにならなかったので、1億円には到達していないけどそれに近い金額の追徴課税だった記憶があります。

結果的には奥様はその支払いを自らのビジネス手腕を使って、あっという間に支払ったそうですが、税務署が入ったあとは散々だったそうです。

なぜ追徴課税になったのか?

1番の原因は奥様の車好きです。

MS法人で買った車は全部で7台!

全て銀行からの融資で買ったそうです。

買った車はどれも超がつくほどの高級車で、ベンツGクラスAMGフルカスタマイズ、ポルシャパナメーラGTSフル装備、マクラーレン(これは鑑賞用で自分では乗らなかったそうです)、ベントレーコンチネンタルGTなどそうそうたる車を買っては乗ったり、鑑賞用として車を7台も持っていたそうです。

もちろん目立たなくしていましたが、当時の三鷹市では目立ったそうですぐに税務調査の連絡が入ったそうです。

もちろん私ではない税理士さんがその税務調査を担当したのですが、しっかりとした税金対策を怠ったために、7台中5台が不正にMS法人の売上を使って買ったものと見られました。

そうです7台中5台はMS法人の経費として認められなかったのです。

カローラとかハイエースみたいな数百万規模ではなく、数億単位が経費として認められなかったので、奥様は発狂しもう終わりだと倒産も考えたと聞いています。

しかしそこは持ち前の経営力と人脈を使って、なんとか追徴課税の分は2年で完済したそうです。

もちろん一部をといっても多額な追徴課税だったので、MS法人から代表である奥様へ貸付を行い、なんとかことなきを得たようでした。

これは担当する税理士の技量によりもますが、このケースでもあるアイデアを使えば超・高級外車を7台分すべてをMS法人の経費として購入することができます。

マジックボックスと先ほど表現したように、MS法人というのはいろいろなビジネスが展開できる魔法の箱みたいなものなので、税金対策からクリニックを支援する仕事までできます。

今回の事例では何をすればよかったのか?!

答えをいうとあるレンタル業をすれば、買った車はすべてMS法人の経費にすることができました。

ちなみにこの手のことは美容室アースを含め、いわゆる超・大金持ちの皆さんは普通に税理士からサポートされはじめている事業です。

あくまでビジネスの一環として所有する分には問題ないので、ぜひ皆さんも趣味ややりたいことをビジネスとして、自分のクリニックや周りの方に提供できないか?

考えてみてください。

我々の事務所ではそれを専属で考える部隊があるので、よろしけば下記より相談ください。

日本医療クリニック節税センターに

↓ LINEで相談してみる ↓

 

 

このままLINEでお友達になる

 

相談ダイヤル 03-5935-4748

(タップすると電話がかかります)

 

16.息子や娘にお金を残す院長の話

ご子息やご令嬢さん、そしてご家族に医療報酬の一部を「給与」として売上からお金を渡し、上手く税金対策をしている先生の話はよく聞きます。

しかしこれには大きな落とし穴があります。

これで毎年、全国で何件かのクリニックがそのせいで税務署から追徴課税を取られている話を耳にします。

何が一体ダメなのか?

一番のポイントは給与で渡す金額です。

普通、何もクリニックの業務をしていない方に支払う場合、社会通念上の常識としては5万円程度がいいところです。

つまり働いていない息子や娘には月に5万円を渡すのがいいところなのです。

しかし、これから紹介する脳外科のクリニックでは、1人20万円〜40万円近い給料をクリニックで働いていない子供たちに支払っていました。

これはさすがに税務署でアウトな事例で、税務署が入ったときにすぐに子供たちの給与がすべて税務署から認められないなと思いまいた。

私はすぐに息子や娘に何かクリニックで生かせる仕事は無いか探しました。

その結果、娘さんはプロのピアニストで、息子さんは絵を書くのがうまいことがわかりました。

早速、娘さんにはクリニックで月に二回、演奏会を開いてもらい患者さんを集めるのに一役買ってもらいました。

次に息子さんには絵を毎月3枚描いてもらい、それをクリニックの待合室と診療室に貼り、月替わりでテーマを決めて色々な絵を書いてもらいました。

その後、書いた絵を画集にしてもらい、来た患者さんにプレゼントしました。

これにより先ほどの給与に相当する働きをしたことになったので、税務調査が入ってもお咎めなしで終わるようにしました。

実際にこのクリニックに税務調査が入ったときには、ちゃんと過去に開催したピアノリサイタルのチラシや息子さんが書いた絵を飾った写真(日付入り)、息子さんの絵を配った画集を見せました。

これにより実施する前より明らかに集患人数が変わったとも証明できるので、税務署側は子供たちにあげた給与を、すべて経費として認めてくれました。

このように家族に給料を渡して税金対策する場合、今の事例のような息子さん、娘さんの特技をうまく使えば、真っ当な給料として支払うことができます。

ぜひ一度、この税金対策を考えている先生は、息子さん、娘さんの特技をクリニックの経営に活かせないか?

考えてみてください。

最後に

今、税金の世界では、いかに多くの税金を労働者である私たちから正当な理由で取るのかを画策しています。

これは日本が借金まみれになっているからではなく、単に人口の減少と他国に税金を奪われているからです。

これはとても深刻な問題です。

そこでソフトバンクをはじめとする日本の大手企業は、税金を優遇してもらうために税金のプロを雇って、日夜、税金を合法的に安くする方法を画策しています。

先生もぜひ我々のような医療系に強い税金対策のプロを雇って、ソフトバンクやトヨタみたいに合法的に税金を少なく支払えばOKなシステムを導入してください。

税金の世界ではいろいろな制度の組み合わせて税金を安く納めて手取りを増やし、先生の医療レベルや生活レベルの向上にこの情報を役立ててもらえたらうれしいです。

特典の失敗例を読む

大久保 達弥

1963年生まれ。税理士と公認会計士の資格をもつ。医療に強い税金対策ができると有名で、口コミだけでお客さんを取っている。